平成14年度第2回市議会定例会が開かれました.

尾関市議の一般質問と答弁の要旨を掲載いたします.

2002.06/22

今回は有事法案をトップに持ってきました。
有事法制の廃案を求める意見書提出の請願を議会に尾関議員、長岡議員、小林議員の3人が紹介議員になって提出しましたが、残念ながら総務企画常任委員会で1:6で不採択となってしまいました。

有事法案 高齢者福祉と介護保険制度 中小企業対策 完全学校5日制


日本共産党を代表し、市長並びに関係部局にお尋ね致します。

1.有事法案について

 戦争をしないと決めた平和憲法を持つ国は世界に2つあります。ひとつは日本で、もう1つは中米コスタリカです。だからコスタリカには軍隊がありません。ところが、戦争を放棄した憲法を持つ日本の政府は、「武力攻撃事態法案」「自衛隊法改正案」「安全保障会議設置法改正案」の有事法制三法案を国会に提出し、今国会での成立をさせようとしています。

 政府は、有事法制が日本を外国からの武力攻撃から守るための備えであるかのようにいっていますが、そうではありません。防衛庁長官自身が、日本が武力攻撃される現実的な危険はないと明確にのべています。

 有事法案には「わが国」があぶなくなったら、武力を使って反撃すると書いてあります。ところが政府は「わが国」とは、なにも日本の領土だけを指すわけではない。海外に出かけている自衛艦もわが国だ。その自衛艦があぶなくなれば、有事法制を使い、攻撃されれば武力で反撃すると言っています。そんなことが出来る様になれば、海外のどこでも武力行使ができるということになってしまいます。

 今、「日本の防衛」とは関係なく自衛艦が海外に出ています。インド洋に出ている自衛艦は、アメリカの戦争応援です。アメリカがアジアで起こす戦争を応援する法律、周辺事態法もつくられています。

 今の法律では「あぶなくなったら撤退する」ことになっています。ところが有事法制が出来れば、自衛隊はあぶなくなってもその場に踏みとどまって応援を続け、もし攻撃されればアメリカ軍と一緒になって武力を行使することになります。

 有事法案には「国民は戦争に協力するものとする」「自由と権利に制限を加える」ということも書かれています。戦争協力を拒否すると犯罪になります。「戦争に協力したくない」という考えを持つ事も禁止されます。こんな憲法無視の有事法制が発動されれば、自治体職員や、医療従事者、運送業者、技術者などの国民が動員され、テレビ、ラジオ、新聞の報道の規制も検討されます。

 くわえて、有事法制を発動するかどうかを決定するのも、自治体や国民の動員を指揮するのも首相であり、国権の最高機関である国会はないがしろにされ、首相の独断が横行する仕掛けとなっています。共同通信社が全国47都道府県の知事にアンケートを行なった結果では、本県の福田知事を含む8人が賛成、2人が反対を表明していますが、34人の知事が「どちらとも言えない」と回答、有事の定義や国と自治体の役割分担が不明確なことへの戸惑いが目立ち、時間をかけた慎重な審議を求める声が圧倒的であり、住民の生命、財産を守る責務のある自治体の長として当然の立場です。

 足利市は「平和都市宣言」を宣言した自治体でもあります。

 以上の内容をふまえ、市長にお伺いいたします。

・憲法に規定されている、基本的人権の保障や、思想信条の自由が大きく制限される憲法違反であり、地方自治法にも違反する法案ですが、市長はどのようにお考えでしょうか。

・ アメリカの起こす戦争に、自治体も強制的に協力させられる有事法案に自治体として反対する意志はあるのでしょうか。

・ 医療班の派遣が政府の命令ひとつで従事させることも含まれているが、赤十字病院などに勤務する足利市民が戦争に巻き込まれることになりますが、どのようにお考えでしょうか。


2.高齢者福祉と介護保険制度について

 政府は介護保険開始時から、国民の不安は「細かな問題」で極めて安定した形で・・・・スムーズにスタートとした」と答弁し、施行2年目の今も同じ評価を繰り返しています。

 2000年3月までの公的介護は負担能力に応じた制度でした。ホームヘルパーでは住民非課税者は無料で中高所得者には6段階の自己負担、特別養護老人ホームは無料から月額最高24万円までの応能負担制度でした。しかし、介護保険で負担能力を無視した一律一割の応益負担に変わり、低所得者層には負担増、高所得者層には負担減の制度となりました。

 日本世論調査会の調査では「負担が大きくなる」42.3%、「少なくなる」26.9%と回答は両極に分化し、負担増となる層が増えました。高所得者層を中心に利用者数や回数は当然伸びましたが、介護保険を評価する際の1側面に過ぎません。

 医療関連サービス振興会の介護支援事業者調査では、利用者が困っているのは「経済的負担」と答えたケアマネジャーが78.5%ともっとも多く、理想のケアプランができない理由に73.5%が「利用者の経済的理由」をあげました。現実のサービス利用量は支払い能力で決まるからです。厚労省報告資料でも、各支給限度額に対する利用割合は、全体で39%に過ぎず、要介護認定者の20%がサービスを全く利用していません。朝日新聞の調査では、63%の自治体が在宅サービスの利用が少ない理由に「自己負担が重い」ことを上げています。(2001.3.8)ちなみに政府がお手本にしたとされるドイツの介護保険には自己負担はありません。

 高齢者の60%強は年収115万円以下であり(平成11年国民生活基礎調査)、一定の所得層でも家族介護が限度を超えています。 施設サービスでは、介護保険開始時に10万人を越えた特養ホーム入所待機者は、開始後さらに増加しています。基
盤整備「ゴールドプラン21」では2004年までに7万人増計画にすぎず、実際は国の「参酌基準」(施設入所者を高齢者の3.4%に抑える)でさらに遅れています。痴呆高齢者のためのグループホームは2004年目標の3,400ヶ所を達成しても、2005年推計の痴呆高齢者189万人の約1.5%にすぎません。

 介護保険料では、低所得者に対し、市町村独自で減額や免除を行なっているところが429自治体に広がっていることが、厚生労働省がまとめた介護保険実施状況(4月1日現在)でわかりました。半年まえとくらべて120自治体増え、全自治体の13.2%をしめています。厚労省は、保険料の免除(無料化)はしない、収入によって一律に減免はしない、減免の財源を一般財源から繰り入れないという「三原則」を示して、自治体独自の抑えこみをはかっています。しかし、一方でわが党の保険料の減免の質問に対して、坂口厚労省は「一般財源の投入であっても、原則を越えて自治体がやるというのなら、その自主性を尊重する」と答弁しています。(3月19日参議院厚生労働委員会、「しんぶん赤旗」3月25日日付)この枠を超えた減免を実施している自治体は、116自治体にのぼりました。

 介護予防・生活支援事業は、在宅の高齢者が、要介護状態にならないようにする(介護予防)自立した生活を支援(生活支援)をおこなうためのものです。事業は,メニュー方式で各自治体が実施したときに補助(国・県が).をだすものです。この事業を利用して、配食サービス2,423自治体(74.6%)、外出支援サービス1,601自治体(49.2%)、住宅改修支援事業2,494自治体(76.8%)などがおこなわれています。当市では、訪問、通所、短期入所事業がおもなサービスです。

 足利市の各支給限度:額に対する利用割合は、全体の27%です。国平均より12%も利用されていないことがわかります。深刻なのは、いちばん介護の必要な介護度5の人が24%といちばん利用を抑えていることです。足利市の要介護認定者(H14.年3月現在)は、3,509人です。そのうち、サービスを受けている人は2,792人で、全くサービスを受けていない人が707人もいます。この結果は、国平均と同じく全体の20%にもなります。足利市でも利用料が高いため、サービスを抑えていることは明瞭です。利用料の減免、とりわけ低所得者の減免を所得の第2段階まで拡大すべきです。

 当市の低所得者の介護保険料の減免は、介護給付費準備基金3億9800万円をとりくずしたり、一般財源の繰り入れ金で手当てすることを策定懇談会に提案すべきです。

 足利市の特養待機者は、317人、老健施設待機者70人(ともにH14年2月現在)です。この4月から特養ホームは1箇所開設され、さらに1箇所開設予定で100増床で、実質の待機者は、まだ217人もいます(老健施設を含めば施設待機者2,88人)。グループホーム2ヶ所が今年度に続けて開設されました。痴呆高齢者を介護されてきた方にとって朗報ですが、まだわずか18人分です。

 足利市の高齢者は、一人暮らしは、2,097人、高齢者夫婦のみの世帯数は4,098(8,186人)世帯(H13年10月現在)です。今まで、議会毎に要求をしてきましたが、配食サービス、外出支援サービスは、切実な願いになっています。安心して高齢者が生活できる体制づくりが急務です。

 以上の状況をふまえ、市長並びに関係部局におたずね致します。

・ 第1号被保険者の介護保険料の普通徴収率は、どのくらいでしょうか。また、滞納している被保険者でサービス利用料や高額介護サービス費の支給などペナルティを受けている人がいるのでしょうか。

・ 特別養護老人ホームに入所が必要と判断される待機者が、県内で1910人もおり、県では1900床について整備をめざすことを決めましたが、足利市では2月末現在317名の入所待機者の解消のために整備目標を見直す考えはありますか。

・ 配食サービスは、地元の食堂や、お弁当屋さんを利用してできるようなきめの細かいサービスを実施すべきではないでしょうか。

・ 移送サービスや配食サービスは、保険料の値上げにつながる特別給付ではなく、一般会計や介護 予防支援事業として支出するようにするように策定懇談会に提案すべきではないでしょうか。

・ 低所得者の保険料の減免、利用料の減免拡大を実施すべきではないでしょうか。


3 中小企業対策について

 「信用金庫の倒産で融資の道が切れてしまった」「銀行は理由説明もなく融資できない」という。貸し渋りと言うより融資拒絶だ」「生命保険会社の倒産で老後の生活設計が狂った」など、中小業者・国民にさまざまな金融被害をひろげ、銀行、保険会社の経営のあり方への怒りは高まるばかりです。

 不良債権残高は、2002年3月末現在大手7グループ12行の合計26兆7千800億円にのぼり、この早期最終処理を最優先する小泉内閣のもと、融資の選別と回収で企業の経営を追い込んでいます。この対象のほとんどは中小企業であり、約30万の中小企業を清算型の倒産に追い込むというものです。銀行救済に税金投入をした上に、景気回復のための「経済対策」と言いながら、「倒産、失業を生み出すことを柱にするような国は世界で日本だけだ」という指摘もあります。資金繰りや返済に苦しむ中小業者の立場に立った新しい金融の仕組みが、今ほど求められている時はないと思います。

 足利市は、平成12年12月末の工業統計によると事業所総数2,653件で、前年度に比べ192事業所減少(6.7%減)しました。平成7年から連続減少し、合計553事業所も減少しました。その中でも、小規模事業所(従業員1〜3人)がもっとも多く314件減少しました。

 従業員総数は23,027人(うち小規模事業所10,064人、中規模8,666人、大規模4,297人)で、前年に比べ1,083人減少(4.5%減)し、平成7年から合計で4,256人も減少しています。その中で、もっとも多く減少しているのは、中規模事業所(100〜299人)の1,645人でした。大規模事業所は8事業所で、前年より270人減少しています。

 産業別事業所では、多い順から、衣服・その他の繊維製品では646事業所、平成7年〜連続減少し、191事業所(22.8%減)も減少しました。次に多い事業所は、繊維工業品は515事業所で、やはり平成7年から161事業所(23.8%減)も減少しています。次に一般機械器具315事業所、プラスチック製品279事業所、金属製品277事業所となっています。それぞれ平成7年〜連続減少していますが、とくに金属製品は44事業所(28%減)も減少しています。

 このようなことからも、足利市は中小企業の多い町です。4人以上の事業所数でも、県内及び両毛5市の中でも1,110件といちばん多い町です。不況の影響を受けて、事業所、従業員が減り続けています。工業統計を見ただけでも、深刻な状況が浮かび上がってきます。

 銀行の融資の返済に追われ、商工ローンに手を出さざるを得なくなって多重債務におわれる業者が後を経たないこと。中途半端な対応では、どうにもならないところまで追いこまれている中小企業に対して、制度融資の延長、無担保無保証の融資の緩和措置など緊急な対策が必要です。そして、地域経済を守る地域金融の責務を積極的に要請することも大切です。早急に気軽に相談できる相談窓口を設置し、解決策を一緒に考えていくべきではないでしょうか。となりの太田市では、家の新築工事を市内の業者に依頼した場合に25万円を限度に金券で助成をしており、新築工事が増えている状況が生まれています。また、昨年の12月議会でも質問をしましたが、、川越市で実施している市内の業者が行う住宅改修工事で、20万円以上の改修工事費のうち、10万円を限度に補助する住宅リフォーム補助制度を実施し、融資ではない直接受益者の負担軽減することを行なうべきです。

 そこで、市長、並びに関係部局にお尋ね致します。

・ 経営困難に陥っている中小業者を支援するために中小企業金融安定化特別保証制度(H10年10月〜13年3月)の実績はどうだったか。それに変わる「セーフティネット保証」制度は、これまでの実績はどうか。実態に即した利用し安い内容と運用になっているのでしょうか。

・ 小規模工事登録制度の現況はどうなっていますか。現行の50万円から100万円に引き上げはできないでしょうか。

・ 住宅リフォーム補助制度を導入すべきではないでしょうか。


4 完全学校5日制について

 ゆとりをうたい文句に完全学校5日制が始まったというのに、学校の教員から「授業の準備や宿題の点検などに充てる時間が取れない」「休日出勤や残業が増えている。といった悲鳴があがっています。そのしわよせは、子ども達にも及んでいます。

 ことの発端は、政府・文部科学省が昨年、各学校の教職員の人数を算定するさい、「教員が受け持つ授業時間数は、完全学校5日制になっても減らさない」「小人数授業実施のために教員の加配を受けたければ、受け持つ授業時間数を増やしなさい」という基本方針を示したことからでした。

 この問題について、わが党の国会質問で追及し、文部科学省の方針は「教員の持ち時間数を増やせという趣旨ではなく、強制ではない」「念のためチェックする」また、「1時間の授業には1時間の準備が必要」との答弁を引き出しました。欧米諸国では1クラスの児童・生徒数は30人以下で、教員1人あたりの授業時間数も通常週に15〜16時間程度です。まず、統廃合した学校、及び小学1年生から30人学級に踏み出し、順次、拡大していく計画を立てるべきではないでしょうか。また、学校の図書室に子ども達が読みたい本の相談相手となる、司書の配置がどうしても必要です。

 県内の自治体をみても、都賀町では全部の小中学校に司書が配置されており、国分寺や高根沢、馬頭町では司書補が配置されています。また、宇都宮、栃木、佐野など多数の自治体では図書事務の職員を配置しています。学校図書館は児童生徒、および教員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を養成することを目的とする、「学校教育において欠くことのできない基礎的な設備」と学校図書館法第1条に定めています。

 2003年度より12学級以上の学校に司書の配置が必置となりますが、12学級以下の小規模校にも司書の配置をおこない、市内の全ての子ども達が図書室が使いやすくできるようにすべきと考えます。

 2001年12月12日、「子どもの読書活動推進法」が公布施行されました。同法によって、国と地方公共団体は、「責務」として、「子ども読書活動推進基本計画」を策定し、市町村は、「市町村子ども読書活動推進計画」を「策定するよう努めなければならない」ことになりました。

 ところが、全国学校図書館協議会が全国の市町村教育委員会に行なったアンケート調査の結果によると、平成14年度の学校図書整備費は足利市の1校あたりの平均図書費は小学校が22万2,522円であり、栃木市の64万2,733円の約3分の1、中学校においても足利市が33万9,237円に対し、栃木市が94万5,000円と栃木市の約3分の1となっています。お隣の佐野市との比較でも同様に小中学校ともに約2分の1という状況であり、栃木県内の回答のあった14市町村のなかで小学校で13番目、中学校で14番目という結果です。

 日本で最古の「足利学校」のある街でこのような状況では寂しいかぎりです。早急に他市町村並み、それ以上に学校図書整備費を引き上げるべきです。

 学童保育の現状は施設がせまく、児童1人あたりの面積で、畳1枚に満たない施設が8箇所もあり、全体の3分の2が3平方メートルに満たない状況です。子ども達が安心して過せる居場所が早急に必要です。そのために民間の空き屋や、空き店舗等を利用し易いように、貸し手に対し例えば固定資産税の減免を行なうなどの優遇措置を設けることで、貸し手も有利になり、子ども達も安心して過せる場所が確保できることになります。

 以上の状況をふまえ、教育長にお尋ねいたします。

・ 30人学級を実現させるためには何人の教員増員が必要でしょうか。また、予算はどのくらいでしょうか。

・ 図書室に相談相手となる司書などの配置を進める考えはないでしょうか。また、図書の充実を図るべきではないでしょうか。

・ 市として学童保育の適正規模は、どのくらいと考えているのでしょうか。 民間施設が手狭になっており、各学童クラブの意向も踏まえ市の責任で施設にたいして緊急に対策をとるべきではないでしょうか。


議案第54号 足利市税条例の改正について

 続いて条例改正についての質疑を行ないます。長期(1年超)保有上場株式に係わる申告分離課税の暫定 税率の特例の創設により、これまでの実績を踏まえ予想される件数及び減収はどれくらいでしょうか。

 以上で一般質問、及び質疑を終わらせて戴きます。市長、並びに関係部局の明解な答弁を求めます。


傍聴しませんか.
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