平成14年(2002年)度 第3回市議会定例会が,8月29日から9月27日の期間開かれました.9月13日に行われた尾関市議の一般質問を掲載いたします.段落や区切りは編集局でつけました.

2002.09/29

日本共産党を代表し市長、並びに担当部局にお尋ねいたします。

1.住民基本台帳ネットワークについて

 「住民基本台帳ネットワークシステム」(以下住基ネット)がスタートして、1ヶ月が過ぎ、「住民票コードがハガキから透けて見えた」「間違って郵送された」などのトラブルが各地で続出しました。これまで市町村が住民基本台帳で管理していた個人情報を、国に提供し、その管理に委ねるものです。国は、法律の範囲内でこれを利用することになっています。

 しかし、だれの情報を、いつ、何の目的に利用したかを市町村へ知らせる義務はなく、国が法律を守っているかチェックする方法は、ありません。なぜ、政府は、巨額(400億円、年間200億円)の費用を投じて住基ネットの稼動を急ぐのでしょうか。

住基ネットを本人確認に利用すれば、瞬時に一億2000万人のなかから個人を特定できるようになります。電子申請も公的個人認証サービスも2003年にスタートさせるのが、政府の戦略の目標であり、先延ばしができません。もう1つは、国家による個人情報の集約と管理です。個人情報に住民票コードを付け、コンピューターのネットワークで結べば、調べたい人物の番号を元に、個人情報を瞬時にもれなく集めることが可能になります。有事の際に、国民をそれぞれの特性や特技、資格などに応じて徴用する際には、とてつもなく大きな力を発揮すると考えられます。

 このような中で、日弁連のアンケートでは、8月の稼動に自治体の7割強が否定・懐疑的だったそうです。また、70を超える地方議会で稼動延期の意見書が、全会一致も含めて、採択されています。杉並区や中野区、福島県矢祭町などのように住基ネットから離脱したり、横浜市のようのに住民による選択性をとる自治体もでています。

 昨年9月に制定された杉並区の「住民基本台帳に係わる個人情報の保護に関する条例」のように、個人情報が漏れたり不正に利用される危険が生じた場合、市町村の判断で住基ネットへの接続を切ることができると定めた条例をつくる事も大事です。

 まず、いま必要なのは個人情報を守るシステムを整備し、さまざまな経験と実積が蓄積され、、個人情報を守らなければならないという意識が国民共通のものとなることがまず必要です。その上で、国民の総意として、住基ネットをと判断する日がくるかしれませんが、急ぐ必要は、まったくないのです。住基ネットは中止すべきです。一度外へ流れ出た個人情報は、回収することはできません。個人情報の漏洩や不正利用がおこなわれる可能性のあるシステムは、可能な限りつくらないようにすべきです。

 そこで、市長にお尋ね致します。

・8月5日から、住民基本台帳ネットワークが、国会における付帯決議が法制化されないままスタートし、国民多数の不安と批判が高ま っています。国に対して、報道等の規制ではない、公的機関が保持する個人情報を厳格に守り、公的機関自身、不正使用、不正アクセ ス、不正加工等によって人権が侵害されないよう立法措置を講じ、これらが完備するまでネット運用を凍結することを、要請すべきではないでしょうか。

・市としても、住民情報保護の立場から、条例をつくり、アクセス先での不正利用などが明らかになった場合、市長の権限でネットアクセスを遮断する事項を条例に盛り込むべきではないでしょうか。

・ネット接続によってハッカーやウイルスの侵入による情報の漏洩の対策はどの様に考えているのでしょうか。

・従来、プライバシー保護の為、ネットワーク化は行なわず住民基本台帳の規定と個人情報保護条例によって守られてきたが、現実には流失事件が多々起きています。今回、地方自治情報センターに一括管理されることで、実質的に国の一元管理となり、地方分権に反する中央集権化になりますがどの様に考えておりますか。

・ 住民コード番号の送付トラブル、例えば、「透けて見えた」、「受け取り拒否」、「返還」などがあったか。本人に配達できなかった場合や、誤配はあったのでしょうか。また、その後の処置はどのようにされたのでしょうか。

・現在削除を希望する市民の申し出があるのかどうか、削除や本人の選択性や任意性について どう考えておりますか。

・個人情報保護制度の整備を民主主義社会の基盤整備として確立することが何よりも必要です。ITは住民の要求に基づき自治体が自主的に判断すべきであり、国家による管理強化につながるものであってはならないと考えますがどうでしょうか。


2.介護保険制度について

 現行の介護保険が様々な矛盾をかかえた制度であることは、実施前から指摘されていました。しかし、政府・厚生労働省は抜本的な打開をはかることをせずに、2000年4月に「見きり発車」の形で制度をスタートさせました。

最大の問題の1つは、非課税者・非課税世帯など低所得層ほど利用料をはじめとする重い費用負担のためにサービスの利用を抑制せざるを得ず、同時に介護にかかる費用が家計そのものを大きく圧迫している現実です。足利市での実態調査の結果がそのことを裏付けています。所得によってサービスに差別が生まれるのは経済的理由だけでなく、法の下に平等という憲法の理念からも問題があります。

 厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成12年)」によれば、高齢者世帯の76.2%が住民税非課税世帯です。総理府社会保障統計年表による年金額を見ると年金受給者の半分(49%)が月に3万数千円から5万円の年金しか支給されていません。これらの世帯は生活保護か、それに達しない生活水準とならざるを得ないでしょう。厚生労働省は高齢者世帯の経済状況が勤労者世帯と比べて遜色無いと述べていますが、所得階層毎に見ると決してそのように言える状況ではありません。高齢者世帯における低所得状況の広がりはサービス利用の低迷の背景にもなっています。

非課税者、非課税世帯などの低所得層に対して介護保険料、利用料の減免を計る事が急務です。少なくとも生活保護基準なみ、もしくはそれ以下の高齢者が相当数含まれると考えられる第1段階の保険料は免除すべきです。これは現在の低所得者だけの問題ではありません。今は経済的余裕があって、ある程度の負担に耐えることができていても今後状態が重度化したり、介護者の病気などによって介護条件が悪化すればとたんに困難に陥る可能性があります。保険料の減免、利用料は撤廃、もしくは支払い能力に応じた「応能負担」に切り換えることは、全ての利用者、高齢者の利用条件の改善につながる課題といえるでしょう。

 それでは、足利市の実態はどうでしょうか。6月現在の介護保険の認定者数は3,687人で、その内居宅受給者数は2,330人、施設入所者が792人、サービスを受けていないひとが565人(15.3%)となっており、サービスの利用率が27%と低い状況が続いています。

足利市の高齢者実態調査によると、介護保険料について重いと感じる人が26.2%、やや重いが24%あり、負担を感じる人が50.2%もいます。

実際に介護保険を受けている人達も介護保険料については、重いが21.2%、やや重いが24.2%となっており、負担を感じる人が45.3%もいます。

 特にこの中で単身世帯、高齢者夫婦世帯の人達で、負担を感じている割合は47.8%もいます。当市においても、高齢者のうち非課税者および非課税世帯は、77%にもなり、低所得者の保険料の減免・利用料の減免が急務です。老齢福祉年金受給者は、無料にするべきです。

保険料の減免では、「境界型」減免措置制度の活用が急がれます。市独自の低所得者施策として、新規の訪問介護利用料3%、訪問介護は12年度より、13年度は、71人(375人)増えています。国の特別対策のうち、02年1月から始まった社会福祉法人等(事業所も含む)の施設及び在宅サービスの利用料は5%ですが、利用者は、97人でうち在宅者は、わずか9人です。いまある制度を充分活用できるように、周知徹底し1日も早く、社会保障制度としての介護保険となるよう国に対しても働きかけをしていくべきです。

そこで市長並びに関係部局にお尋ねいたします。

・ 足利市高齢者実態調査「結果報告」を踏まえて、介護保険 を今後どのようにすすめていくのか。

・ 来年4月改定される介護保険料(第1号保険料)が県内 均で5.2%の引き上げられる見通しであることが、県の まとめでわかったが、当市はどのようになるのか。

・ 県内の9市町で値下げされる見通しが出されているが、当市では保険料を引き下げる計 画はないか。介護給付費準備基金 等を保険料引き下げに使うべきではないか。特に低所得者の 保険料を減免すべきではないか。

・生活保護「境界層」の減額措置制度の活用で、保険料の減額(境界層該当証明書交付申請書)は、どのようにおこなわれているのか。

・ 厚生労働省は所得税非課税世帯の訪問介護利用料が3%から6%への引き上げを来年度予算概算要求に盛りこんでいることがあきらかになった。(実施は来年の7月から)国に対して、3%を継続するよう働きかけるとともに市として軽減措置を継続することができないか。

・ 現在、社会福祉法人等による5%の利用料が実施されているが、低所得者の利用料を5%にすべきではないか。


3.学校給食の民設民営化について

学校給食における教育とは、なんでしょうか。1954年に制定された学校給食法には、学校給食の目的(第1条)を「この法律は、学校給食が、児童及び生徒の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与するものであることにかんがみ、学校給食の普及充実を図ることを目的とする」と位置づけ、続く第2条にその教育としての目的が4つ示されています。

1.それは、食生活の正しい理解と望ましい習慣をそなえる、

2.学校生活を豊かにし、明るい社交性を身につける、

3.食生活の合理化、栄養の改善、健康の増進をはかる、

4.食料の生産、配分、消費について正しい理解をする、

です。ここに記された項目1つひとつがいま大切な意味をもっていると言うことができます。いま、心配されるのは、子どもの心と体の変化です。全国の保育園、小中学校、高校生の子どもの心と体の調査結果(2000.03.31日体大・正木健男教授ほか)では、「すぐ「疲れた」という」「アレルギー」が1位・2位を占め、「授業中などじっとしていない」という項目も、77%の小学校で1位だったといいます。

また花粉症やアトピー性皮膚炎の子どもが増えてきていることも指摘されています。足利市でも、小中学校児童生徒の保護者への食物アレルギー調査結果(平成13.年10月)によると、食物アレルギーにかかったことがあると答えた人は、約20%前後もいます。病名はアトピー性皮膚炎、蕁麻疹を併発が多く、ぜんそくも目だっています。症状は、「かゆみ」「発疹」が主であるが、中には喘息やアナフィラキシーなどの生死にかかわるものまであることにまとめで、注意を喚起しています。この調査結果を受けて、「今後の対応」として食物アレルギー児を持つ保護者から依頼に基づき、献立に関する資料を提供する。卵製品の食べられない児童生徒に対して、将来、施設整備の改善を図ったうえで可能かどうか検討するとしています。

 このアンケートからも、地元の安全な野菜や厳選された素材を調達し、その素材を調理する栄養士や調理師の木目の細かい対応が求められ、調理設備の充実が求められています。どの調理場でも子どもたちの状況が見える環境を保障し、子どもたちからも作り手が見える給食を追求していくこと、ここに教育としての学校給食があるのではないでしょうか。

 足利市の共同調理場は、小中合わせて14,735食を現在4ヶ所で調理し、南部第3共同調理場は、すでに調理、配送、回収、食器洗浄は民間委託されています。しかし、建物は公設であるため、衛生面や安全性については、市の指導が入り、栄養士が職安法の44条に抵触する矛盾を抱えていますが、県費の栄養士が2名配置されています。今回出されている市直営の西部調理場を廃止し、民設民営となれば、市費の栄養士一人となります。

 また、西部調理場は山前小学校に隣接し、三重小、坂西北小、葉鹿小、小俣小、西中、坂西中と7校を担当していますが、初めに出された再編案によると、この地域を南部第二調理場が担当する事になり地区毎の学校配置編成をくずすことになります。それによって、新たに配送車を増やさなければ給食時間に間に合わない状況となります。

 今回の問題点は経費(人件費)削減が目的とされ、学校教育を教育の一貫としての位置付けが大きく後退することになります。

以上の状況をふまえ、教育次長にお尋ね致します。

・ 学校給食は学校教育の一環としてすべての子ども達が受ける権利を持っています。だからこそ、子ども達と直接つながった見える場所での献立の作成から調理・配食、後かたづけまで行う事で食の大切さが子ども達に理解できるのであり、離れた大規模給食センターでの民設民営では、利益第一優先となり、それが伝えられないと考えますがどうでしょうか。

・ 栄養士や調理師は自立性が保障され、給食労働における技術と熟練が要求され、四季折々の伝統食、地域の個性を生かした食文化、新鮮な旬の味が活かされされなければならないが民設民営でそれができるのでしょうか。

・ 民設民営化により、栄養士の減員となり、委託先の裁量に任されることになり、民営ではどうしても利益第一優先となり、安全性が軽視される中で、食中毒の心配も生まれるが、その際の市の責任は、どうなるのでしょうか。

・ HA?pの概念に基づいた大量調理施設衛生管理マニュアルに準拠した設計で調理場ができる業者が市内に何社あり、それぞれ所在はどこでしょうか。

・ 西部調理場の廃止に伴い、後を引き継ぐ調理場はどこなのでしょうか。調理場の配置は対象校に近い場所に設置し、暖かい給食を子ども達が食べられるようにするべきではないでしょうか。


4.議案第61号平成14年度足利市一般会計補正予算(第1号)について

・ あさひ銀行旧足利支店取得改修等事業費128.492.000円のなかで、土地及び建物の購入費、改修費は、それぞれどのくらいでしょうか。また、周辺住民や自治会に対し内容を公開し理解を得た上で進めるべきあり協議できる場を設けるべきではないでしょうか。

・ 観光及び「町おこし」に対する効果や経済効果をどう試算しているのでしょうか。


5.議案第67号について

・市民活動支援共同事務室は職員配置など、どのような形で行なわれているのでしょうか


6.議案第72号有料駐車場条例の改正について

・ 堀込町の市有地を駐車場に転換する趣旨と利用見込みはどうなっているのでしょうか。


7.議案第73号財産の処分(滝の宮南住宅跡地の処分について)

・ 市民の財産を一般業者に売却する場合は市民の納得の行く方法で行うべきであり、市民の福祉向上、例えば低所得者や障害者の方々が住める市営住宅を建てるなど、より広く市民の声を聞くべきではないでしょうか。

 以上で質問並びに質疑を終わらせていただきます。市長、並びに関係部局の明快な答弁をお願い致します。


傍聴しませんか.
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