平成22(2010)年第5回定例会(9月議会)
2010年9月10日質問

おぜき栄子市議の一般質問を掲載します.
段落や区切りは編集局でつけました.
2010.10.06

地域経済活性化させるために
子育て支援の充実について
社会保険としての医療制度の充実について

1.地域経済活性化させるために

 小規模工事登録制度

 日本経済、中でも中小零細企業は、かつてない深刻な危機に直面しています。当地足利市も中小零細企業や商店の倒産・廃業に追い込まれる業者が増え続けています。この危機的な状況から、一刻も早い対応が求められています。その1つである平成13年10月から始まった小規模工事登録制度は、できた当初は市民から大変喜ばれました。私も、予算要求してきた立場から大変嬉しく思っていました。

 しかし、平成19年度、20年度、21年度の3年間で登録業者件数は、63件と伸び悩み、20年から、21年との比較では、50万円以下の登録業者受注分の小額工事総額は、半減しています。

 以上のことから、市長および担当部長にお尋ねします。

(1)平成20年度と21年度を比較すると、50万円以下の小規模工事総額に占める登録業者の工事総額は24.8%から7.4%に減少していますが、理由は何でしょうか。

(2)なぜ登録申請業者が増えないのでしょうか。

2.子育て支援の充実について

 保育の公的責任

 今年の6月25日に政府の「子ども・子育て新システム検討会議」が「基本制度案要綱」を発表しました。「子ども・子育て新システム」と称するその内容をある大学教授は次のように指摘しています。

 現行の公的保育制度では、保護者の仕事などで「保育に欠ける」状態の子どもに対して保育を実施する義務が市町村にあります。入所も保育料徴収も市町村が担い、事故の責任も市町村が負います。

 「新システム」では、「幼稚園」と保育所を一体化した「子ども園」が新設され、市町村を介さずに自分で子ども園を探し、直接契約を結ぶ方式に変わります。保育料を徴収するのも事故の責任を追うのも、個々の子ども園です。市町村は、保育の必要量の認定と保育サービスの利用料補助をするだけになります。

 現行制度では、保育料は、保護者の経済力に応じた負担です。市町村に保育の実施義務があるので、何らかの事情で滞納しても強制退所や弟妹の入所拒否はできません。「新システム」では、保育料は利用したサービスへの支払いとなり、保護者の収入に関係なく、保育時間が長いほど高くなります。「新システム」のねらいは公費の抑制です。待機児童の増加は深刻ですが、安上がりに供給量を増やすために保育を公的に実施するのをやめて、お金で買う商品に変え、営利企業を参入させようというのです。今必要なのは、「新システム」ではなく、早急に待機児童を解消するために財政支援をおこなって認可保育所を増やすことです。

と教授は、指摘しています。

 現在の保育所の運営費は、一人当たり月単位で市町村から事業者に支給されています。子どもの欠席や保育料滞納で運営費が減ることはありません。

 ところが子ども園は、保育サービスという商品の売上で運営する独立採算になります。滞納や欠席があれば減収になり、運営が不安定になるのは確実で、効率化とコスト削減が迫られます。保育事業費の大半は、人件費なので、これは人件費の削減を意味します。保育労働者の労働条件が悪化し、ひいては、保育の質の低下を招くのではないでしょうか。保育関係者や保護者などは、「こんな制度ができたら、大変」と声をあげています。

 以上のことから、市長および担当部長にお尋ねします。

(1)民主党政権が打ち出した子ども・子育て新システムは、 「市町村が保育の実施義務を負う」、「国の最低基準で保育水準を確保する」、「最低基準を守る財源を税金で保障する」という、現行の公的保育制度が国と自治体に課している公的責任をすべてなくそうとしています。
 民主党政権は、来年の通常国会に法案を提出するとしているが、国に対し現行の公的保育制度を守るように働きかけるべきではないでしょうか。

(2)第2子出産後の育児休業を取得している方の第1子は、なぜ第2子の出産から6ヶ月を経過すると保育所を退所しなければならないのでしょうか。

3.社会保険としての医療制度の充実について

 国民健康保険

 民主党政権が本年5月の通常国会で成立させた改定国保法と2010年度予算により、一連の制度改定を行いました。失業者の一部へ国保税軽減、そして「こどもの無保険」救済措置を高校生まで拡大し、6ヶ月の短期証が出されますが、保護者は引き続き資格証の交付となりました。こうした一定の改善も含みながら、改定国保法には、国保を「広域化」し、都道府県単位に集約するための一連の制度改変が盛り込まれました。

 制度改変の基本は、都道府県に国保の「広域化等支援方針」をつくらせることです。この「支援方針」には、市町村国保の「財政改善」、「収納率向上」「医療費適正化」などの目標が書き込まれ、都道府県がその実行を市町村にせまっていくことになります。収納率が低い自治体へのペナルティも、実施を行うかどうかの決定権を都道府県が握ることになります。さらに、都道府県が支出する調整交付金についても「広域化等支援方針」の達成状況に応じて、知事が配分を決めるようにします。

 国保の財政難が深刻化する中、自治体当局や医療関係者のなかには、藁にもすがる思いで、広域化・都道府県単位化に期待する声もあります。

 しかし、国保の財政難の原因は、国庫負担の削減です。国の予算を削減したまま国保を寄せ集めても、「弱者同士の痛みの分かち合い」にしかならず、財政や制度の改善につながりません。民主党政権の狙い通り、「広域化」によって一般財源の繰り入れがなくなれば、国保税はさらに高騰し、医療給付費が増えるごとに際限なく引きあがります。また、保険者組織の「広域化」は、住民無視の組織運営に直結します。

 これまで市町村国保では、草の根の住民運動と市町村議会の論戦が連携し、運営協議会に幅広い住民が参加することなどにより、全国で様々な制度改善を実現させてきました。運営主体の「広域化」がこうした住民の大きな障害となることは、後期高齢者医療制度や介護保険の「広域連合」の実態が証明しています。

  以上の理由から、市長及び担当部長にお尋ねします。

(1)5月の通常国会で成立した改定国保法の、当市への影響はどのように見込まれるのでしょうか。

(2)滞納者が増え続けている、高すぎる保険税の引き下げのための最大限の努力がされているのでしょうか。

(3)国保税を滞納している場合、70歳未満の国保加入者が入院した費用は、一度全額負担し、申請によりあとから自己負担限度額を超えた分が高額療養費として支給されています。これを初めから自己負担限度額だけで支払いが済むようにすべきではないでしょうか。

(4)高額療養費資金貸付事業は、滞納者を含めて、どのように行われているのでしょうか。また、平成21年度における利用者数と貸付総額はどのくらいか。

おぜき栄子の広場
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